AI時代における不動産鑑定士の未来は??

AI時代における不動産鑑定士の未来は??
  • 不動産鑑定士
  • 不動産鑑定士
  • 作成日:2018年06月30日
  • 更新日:2018年06月30日

AI時代における不動産鑑定士の未来はどうなるのでしょうか??


AIは人間の仕事の大部分を将来代替できる可能性が高い、という英オックスフォード大学のマイケル A オズボーン准教授の研究論文が、多くの人々に衝撃を与えました。
その中で、不動産鑑定士の仕事の大部分はなくなる可能性が高いと言われています。
また、人口減少が進み、不動産の市場規模が縮小していけば、鑑定評価が必要とされる場面も少なくなっていく可能性もあります。
一方で、そうした状況の中、AIは予想以上のスピードで日々進化を遂げています。
では、AI時代における不動産鑑定士の未来はどうなるのでしょうか。


1、AIに代替される可能性がある不動産鑑定士業務は?

AIの導入によって効率化が期待されている業務の1つに、 物件価格の算定が挙げられます。
不動産の地域的要因と、土地の形状、建物のグレードなどの個別的要因を設定することで、おおまかな物件価格を迅速に算定できるからです。また、物件の稼働率、テナントの属性、管理状況などの詳細な情報を加えることで、この算定をより精緻に算定することができます。さらに、不動産取引の回数が増えればデータが蓄積していくので、鑑定を続けることでより正確な価格設定に近づけることも可能でしょう。
そのため、AIを活用することで、マンション物件等のデータが多い不動産の鑑定業務は、AIに代替される可能性が高いと考えられます。ただし、AIが精度の高い分析結果を出すためには、不動産鑑定士が細やかな条件設定をすることが必要でしょう。


2、AIに代替されにくい不動産鑑定士業務は?

AIの強みは、瞬時に膨大なデータから判断した回答を導くことです。
そのため、データ情報が取りにくく不動産鑑定士の判断が介入する、事業用不動産等の専門性が高い領域は、AIが判断することは難しいでしょう。また、全ての不動産売買取引をデータ化する仕組みが現時点で確立されていないため、過去データについても、十分かつ正確なデータが保管されているわけではありません。そのため、データのみに基づいた判断のみでは十分とは言えず、不動産鑑定士の判断が欠かせない状況です。
したがって、事業用不動産等のデータが蓄積しにくい、かつ、判断が介入する領域は代替されにくいと言えるでしょう。
また、不動産鑑定士の業務の1つとして、国や都道府県、市町村などから依頼される公示価格の鑑定評価が挙げられます。公示価格とは、地価公示法に基づく地価公示価格(毎年1月1日付けの評価額が公示される)で、相続税評価を算定する際の基準である路線価、固定資産税評価のもととなる価格です。 国家の税収にも影響する公示価格の鑑定評価は、しばらくは不動産鑑定士が関与していくでしょう。


3、AI時代に生き残っていく不動産鑑定士は?

不動産鑑定では複数の条件があり、慣習なども考慮されるため個々の物件によって異なることがほとんどです。現時点では、その差異についてAIでは判断し難いと考えられます。
とはいえ、AI時代に生き残っていくためには、次々に出てくる便利なツールを使いこなせるようなITスキルは欠かせません。AIが過去データを活用することで、迅速で柔軟かつ顧客満足を高めるサービス提供を可能にするからです。また、ITスキルを活かすことで、不動産鑑定士の新たな業務を創造する可能性も高まります。
また、土地や建物に関わる不動産鑑定では、コミュニケーション力も大きなポイントと言えます。鑑定のほかに不動産取引の相談、コンサルティングのためには、顧客との相互理解にコミュニケーション力が欠かせないからです。
さらに、複合的要素をもった事例に、ワンストップでスピーディに対応することができるような士業連携も重要になっていくでしょう。


まとめ

不動産鑑定士は国家試験の難関資格でもありながら、まだ認知度としては高いとは言えないのが実情です。また、AIの導入が不動産鑑定士の仕事を奪う可能性も指摘されています。
ただし、テクノロジーの進歩を止めることができませんが、不動産鑑定士の全ての業務がAIに代替されることはまだまだ先でしょう。
むしろ、ITスキルを高めて積極的にAIを活用していくことで、不動産鑑定士は付加価値の高い業務に専念することができます。
また、コンサルティングを始めとした、新たな業務の想像を広げることができるでしょう。
さらに、AIでは対応できないような様々な事例に対応できるように、他士業との士業連携の価値も高まっていくでしょう!
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