士業のバトン「江黒 崇史氏(公認会計士)」1/2

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  • 作成日:2018年07月01日
  • 更新日:2018年07月28日

SAMURISE「士業のバトン」No.1公認会計士 江黒 崇史氏①(全2回)


株式会社SAMURISEの特別企画 「士業のバトン」 !!

第一弾は、「アドレナリン会計士」 江黒公認会計士事務所代表の江黒 崇史氏をご紹介します!

江黒氏は、江黒公認会計士事務所と株式会社E-FASで、IPOコンサルティングとM&Aアドバイザリー業務に従事、上場・非上場会社の社外役員を7社兼任、公認会計士協会の広報委員会も務めている方です!
では、江黒氏のバックグラウンドや専門分野をはじめ、顧客獲得方法、士業連携、AIの影響まで、全2回に渡りご紹介してまいります!

江黒氏って、どんな人?

なぜ会計士を目指されたのですか?

江黒氏:
税理士である父と兄の影響を受けて、税理士より業務範囲が広い公認会計士を目指しました。
公認会計士のメイン業務である監査のこともわからないまま、受験を決めましたね。
本当は、資本市場の番人とか会計士として日本のベンチャーを支えたいから!と、格好良いことを言いたいのですが、単純に親族の影響です。笑


大手監査法人→CFO→会計コンサルティング&中堅監査法人→独立 のキャリアについて教えてください。

江黒氏:
2001年公認会計士試験に合格し、多くの会計士同様、大手監査法人に入所しました。
いいメンバーとの出会いや様々な経験を積むことができ恵まれた環境でした。ただ、今振り返れば、もう少し将来を見据えて就職先を探すべきだったと感じています。正直言うと、試験に合格したからまずは監査法人だろう、さらに大手なら安心だろう、と深く考えずに就職をしてしまいました。もし、公認会計士試験受験生の方がお読みいただいているのであれば、最初の職場選びからしっかりと考えることをお勧めします。
その後、3年が経ち新興市場におけるIPOが盛り上がりました。現場でベンチャー企業の熱気をみていると、自分も経営者側でIPOにチャレンジしたいと感じるようになりました。
そこで、2005年に大手監査法人を退職し、友人が起業したベンチャー企業にCFOとして飛び込みました。ベンチャーのため、あらゆる細かい業務から資金調達まで勉強しながら走り回りましたね。この経験は今でも活きています。ただ、約1年後には経営方針を巡って友人と意見が合わなくなり、最終的に私が会社を辞めることになったんです。
このキャリアチェンジは真剣に悩みました。自分のキャリアを見つめ直しても、監査法人3年、CFO1年弱と未熟です。悩んだ結果、やはり個人として会計士として勝負できるように、もう一度「公認会計士」として修業をしようと決めました。そのため、独立を意識し、何でも勉強できる小さい会計事務所を念頭におきました。具体的には、監査以外の会計コンサルティング業務や税務業務の経験を吸収できる場所、さらには独立において大事になるであろう営業も学べることを意識しましたね。
結果的には、2005年、社員数名の会計コンサルティング会社に就職しました。この会計コンサルティング会社は、監査法人と税理士法人を併設しているため、会計コンサルティングだけなく、ラッキーなことに監査と税務の経験もすることができました。
9年間で様々な経験を積むことができ、仲間や給料面でも恵まれた環境でしたが、子供が出来た2014年に、当初の目的である「独立」を決断しました。


「アドレナリン会計士」について教えてください。

江黒氏:
大好きな黒木亮氏の『巨大投資銀行(上)』, KADOKAWA , 2008/10/25, p.172の中に、

「ジョー、お前は朝起きてまず何をする?」
「俺は朝起きて、顔を洗ったりメシを食べたりしながら、今日一日俺はどんなことをして、どんな展開になるかをすべてアンティシペートする」
「そうするとだな、全身にアドレナリが流れて、だんだんと興奮してくる」
「その興奮状態で会社に行って、仕事に取っかかる。それがインベストメント・バンクで生き残って行く道だ…」

という文章があるのですが、そのフレーズを読んで以降、アドレナリンという言葉が好きになったんですよね。
それで監査法人時代に、
「アドレナリンを出しながら仕事をしているか?」
と会計士の後輩によく言っていたら、いつの間にか周りからアドレナリン会計士って呼ばれていました。
それ以降、周りの方から言われているので、使っています!
今考えればパワハラですね!笑


今までの1番の失敗エピソードについて教えてください。

江黒氏:
失敗だらけで、何が1番かわかりません。笑
ただ、ベンチャー企業のCFOをしていた時に、これまで資本政策も作ったことなくPERやEBITDAという言葉もよくわからないまま、VCと交渉していた時のことは今でも覚えています。
監査法人にいても、資本政策は手を動かして作らないし、知識・経験も乏しかったので、VC側から呆れられたり、相手にされなかったりしましたね。ただ、幸い若かったので、逆に色々教えてもらえることも多く、最終的には資金調達はできたのですが。
ベンチャー企業とのお付き合いが多いので、今でもCFO時代の経験が活きています。


専門分野について

専門(得意)分野を教えてください。

江黒氏:
IPOコンサルティング、M&Aアドバイザリーの2つです!
独立した時に得意なことか好きなことしかやらないと決めたので、今はこの2つです。監査業務はチームでないと出来ないですし、税務業務は過去の経験から得意分野ではないと感じたので。税務業務が必要な場合は、税務業務を専門にしている方を紹介しています。
ベンチャー支援やM&Aの分野は、特に自信がありますね。最近は、特にデューデリジェンスの案件が増えています。
また、事務所の業務以外としては、上場・非上場会社の社外役員を7社兼任しています。
【IPOコンサルティング業務】
ベンチャー企業に対し、事業計画の作成、資本政策の作成、資金調達支援などを行っています。監査法人や証券会社の紹介、ショートレビュー対応などもお手伝いさせていただいていますね。
また、上場直前期のクライアントに対しては、監査法人対応、証券会社対応、上場申請書類作成なども行っています。
【M&Aアドバイザリー業務】
M&A案件の相談や、売り手&買い手先の発掘、スキームの提案などを行っています。また、M&A対象企業の財務調査業務や株価算定も行っています。
【社外役員】
ベンチャー企業を中心に、7社の社外役員を兼任しています。上場会社の社外監査役を1社、上場準備会社の社外取締役を1社、社外監査役を5社です。


独立間もない時について教えてください。

江黒氏:
独立して2週間くらいは仕事もなくて、暇でしたね。笑
2ヶ月目あたりから、昔からのご縁でお仕事を頂くようになりました。
ちなみに初めての受注は、2014年にソフトバンクのイベント会場でたまたま前の席にある会社の経営企画チームの方々がいらっしゃいました。その方々とは以前お仕事をさせていただいたことがありましたので、ご挨拶をさせていただいたところ、ちょうどその会社がM&Aを実行するという話があり、そのまま盛り上がって、その場でM&Aのデューデリジェンスを受けることが決まったんです!まさか何千人もいる会場で出会い、独立後最初のお仕事までいただけたので、さすがに驚きましたね!笑
その方々とは今でもお付き合いをさせて頂いていて、その後もお仕事を紹介して頂いています。
仕事をしていく上で、人とのご縁は本当に大事ですね。


顧客獲得について

続きは、SAMURISE「士業のバトン」 No.1公認会計士 江黒 崇史氏②でお読み頂けます!

江黒 崇史

江黒 崇史

現在、ベンチャー企業を中心にIPO支援とM&Aアドバイザリー業務を担当しております。 IPO支援では資本政策や資金調達、監査法人対応や証券会社対応を、M&Aアドバイザリー業務では財務DDや株価算定などを実施しております。 多くの士業の方と連携できることを楽しみにしております。
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