士業のバトン「大村 健氏(弁護士)」1/2

士業のバトン「大村 健氏(弁護士)」1/2
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  • 作成日:2018年08月04日
  • 更新日:2018年08月07日

士業のバトン第2弾は、フォーサイト総合法律事務所代表パートナー弁護士の大村健氏をご紹介します!

大村氏は、ベンチャー・スタートアップ企業の企業法務を専門に、直近6年半ほどでクライアント企業が35社以上IPOし、15社以上東証一部に市場変更され、本年も複数のクライアント企業がIPOされている、ベンチャー・スタートアップ界隈ではとても有名な方です。
現在、弁護士13名と司法書士兼行政書士1名を率い、170社以上の法律顧問先を抱えていらっしゃいます。
では、大村氏のバックグラウンドや専門分野をはじめ、顧客獲得方法、士業連携についてご紹介してまいります!


なぜ弁護士を目指されたのか教えてください。

サラリーマン家庭で育ちましたが、中学2年次に今後進路を考えた際、将来は起業して自分の力で何かやりたい!と考えました。
色々なビジネスに興味がありましたが、その中で自らの力で仕事を切り拓くことのできる資格ビジネスに興味があったんです。
そこで、最も参入障壁が高く、オールマイティな資格が弁護士だと思い、目指すことを決めました!
とはいえ、司法試験合格率は2%台と低かったので、弁護士に受かりやすい大学に入るのが一番だと思いました。当時、大学別の司法試験合格率は、1位は東京大学、2位は中央大学でした。
ただ、東京大学を目指すとなると高校受験、大学受験、司法試験と3回の受験が必要なんですよね。
一方、中央大学であれば、中央大学附属高校への高校受験、司法試験と受験が1回減る!それなら、中央大学で弁護士を目指そうと思い、中央大学附属高等学校に入りました。
大学入学後、高校が男子校だったということもあり、大学1年のときはたくさん遊んでいましたね。笑
ただ、大学2年のときに初期の目標を達成しなければと改めて感じ、受験勉強をスタートさせ、大学3年ではじめて司法試験を受けました。その結果、合格を目指していた受験仲間3人の中で、1番悪い成績だったんです。
それ以降、大学4年次で司法試験に合格するまで、1日14時間から18時間くらい勉強しました。そして、努力の結果もあり、大学4年次に現役で司法試験を合格することができました。


専門(得意)分野を教えてください。

ベンチャー・スタートアップで、IPOを目指す企業や上場企業等を中心に業務を行っています!
直近6年半ほどでは、35社以上のクライアント企業がIPOし、15社以上のクライアント企業が東証一部に市場変更しました。
本年もすでに複数のクライアント企業が上場し、現在、上場準備に入っている顧問先も80社以上はありますので、今後もさらなる増加が見込まれています。
また、上場申請書類や開示資料をレビューしたり、証券会社審査・東証審査等に向けての法的な部分に関するアドバイスもしています。IPO審査の一環で法務DDを行うこともありますね。
当然、上場後の法務(株主総会対応、適時開示対応、CGC対応、インサイダー取引ほか金商法関連、株式報酬やファイナンス対応等)も多数取り扱っています。
その他、M&A仲介やアドバイザリー企業等のクライアントがいるほか、こういった企業や会計事務所・監査法人、金融機関等からのご紹介、顧問先上場企業の案件等で、事業承継やM&Aの法務案件も月1、2件新規で受任しています。


なぜベンチャー・スタートアップなのか教えてください。

自分自身が起業家を目指していましたし、弁護士として起業家の支援をしたいと考えていたからです!
1999年に弁護士登録をしたのですが、1999年にマザーズ、2000年にナスダック・ジャパンが開設されました。当時、ちょうどベンチャー市場が盛り上がり始めたタイミングだったことも後押ししました。
ただ、弁護士登録時には、ベンチャー・スタートアップやIPO等を専門とした法律事務所はほとんどありませんでした。
そのため、最初は中小企業や上場企業の法務を取り扱う法律事務所に入所し、徐々に自ら開拓してIPOをするようなベンチャー・スタートアップ企業のクライアントを増やしてきました。
1つ1つ実績を積み上げていき、結果としてベンチャー・スタートアップ企業のクライアントが増えて現在に至った感覚です。


ベンチャー・スタートアップ企業と仕事をしていく上で気をつけていることを教えてください。

オーナー・社長と信頼関係を築くことです!
もちろんCFOや管理部長や法務担当者の方々とのコミュニケーションも重要なのですが、ベンチャー・スタートアップ企業の場合、特にオーナー・社長との関係が重要だと思います。
オーナー・社長が最終的な意思決定権を持っていることが多いですし、従業員の方とコンフリクトが発生する可能性も0ではないので。クライアントとのポジショニングは常に意識しています。
また、顧問先の社長様と定期的にコミュニケーションを取ることを大切にしています。
特に、ベンチャー・スタートアップ企業は上場すると、会社も成長しますし、そもそも社長が忙しくなるので、色々工夫してコミュニケーションを取っていますね。例えば、ランチミーティングの有効活用やなかなか予約のとれないレストランが予約できたときは積極的に声をかけたりしています(笑)。


弁護士人生で大変だったことを教えてください。

弁護士登録後5年間ほど法律事務所でアソシエイトとして働き、その後7年間ほど法律事務所の共同経営を経て、2011年1月に独立したのですが、やはり独立した年は大変でした。。。
当時は、今よりも景気や市況がよくない中で、最初からいきなり弁護士8名、司法書士兼行政書士1名、秘書4名も部下がいる状況だったので、毎月給料日近辺はドキドキしていましたね。
一人何役もこなしていましたので、独立前後半年くらい(要は1年くらい)は元旦以外働いていました。
さらに、2011年1月に独立した直後の3月の震災は当事務所にも物理的、精神的にダメージを与えました。
独立した際の費用や日々発生する費用のほか、その補填で、それまでコツコツと貯めていた貯金はかなり目減りしていましたが、そんな状況下で私自身の給与を取れるはずもなく、ご依頼いただいたクライアント様や私を信頼してついて来てくれた事務所メンバーのために歯を食いしばって業務に邁進して、何とかここまで事務所を経営してくることができました。
前事務所でも共同経営者ではありましたが、こういった起業・創業するという経験がなければ、起業家や創業者の気持ちや大変さは理解できていなかったと思いますので、今となっては得難い経験です。

一方で、独立前からクライアントを獲得していたことも大きかったです。独立したことで、顧問契約してくださる企業がいらっしゃいましたし、3年目以降は景気も上向いたのとIPO数も増加したので徐々にクライアントが増えていきました。


現在、170社以上のクライアントをどうやって獲得したのか教えてください。

続きは、SAMURISE「士業のバトン」 「大村 健氏(弁護士)」2/2でお読み頂けます!